失語症の分類で、自分の考えていることを言語でうまく表現できず、発話が非流暢的で、復唱も障害されるのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:公益財団法人東洋療法研修試験財団ホームページ(過去の試験問題等)。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
運動性失語(ブローカ失語)は、ブローカ野(主に左半球の下前頭回後部)の損傷により生じ、言語の運動プログラムの障害によって、自分の思考を言語で表現することが困難になります。発話は努力性で非流暢的となり、復唱も障害されるのが特徴です。
選択肢ごとの解説
- 1. 全失語は、運動性失語と感覚性失語の両方の特徴を併せ持ち、発話、理解、復唱の全てが重度に障害されます。問題文は発話と復唱の障害に焦点を当てており、全失語ほど全般的な重度障害を暗示していません。 正しくは:発話、理解、復唱が全て重度に障害される場合に全失語と診断されます。
- 2. 正解。運動性失語(ブローカ失語)は、ブローカ野の損傷により発話の流暢性が障害され、単語の想起や構文の生成が困難となり、努力性で非流暢な発話、そして復唱障害を特徴とします。
- 3. 感覚性失語(ウェルニッケ失語)は、ウェルニッケ野(主に左半球の上側頭回後部)の損傷により言語理解が著しく障害されます。発話は流暢ですが、内容が不明瞭で語性錯語が多く、復唱も障害されるが、問題文の「非流暢的」とは異なります。 正しくは:発話は流暢だが、内容理解が著しく障害され、復唱も障害される場合に感覚性失語と診断されます。
- 4. 伝導失語は、弓状束の損傷により、言語理解と発話の流暢性は比較的保たれますが、復唱が著しく障害されるのが特徴です。しかし、問題文にある「自分の考えていることを言語でうまく表現できず、発話が非流暢的」という点は伝導失語の症状とは異なります。 正しくは:発話と理解が比較的保たれ、復唱が著しく障害される場合に伝導失語と診断されます。
国試ポイント
失語症の各タイプ(運動性失語、感覚性失語、全失語、伝導失語など)の主要な症状、責任病巣、流暢性、復唱、理解度の特徴を正確に覚える。
混同注意
感覚性失語(ウェルニッケ失語)と混同しやすいが、感覚性失語は発話が流暢で復唱も可能だが、内容理解と語性錯語が著しい点で区別する。
次に同じ論点が出たら
「自分の考えをうまく表現できない」「発話が非流暢的」「復唱障害」の3つのキーワードがあれば、運動性失語を第一に考える。
覚え方
「自分の考えをうまく表現できない」「発話が非流暢的」「復唱障害」の3つのキーワードがあれば、運動性失語を第一に考える。
対になる知識
感覚性失語(ウェルニッケ失語)と混同しやすいが、感覚性失語は発話が流暢で復唱も可能だが、内容理解と語性錯語が著しい点で区別する。
関連知識
失語症は優位半球の言語野の損傷で生じ、日本では多くが右利きのため左半球損傷で失語が生じる。責任病巣としてブローカ野、ウェルニッケ野、弓状束などを理解することが重要。