C6完全麻痺の脊髄損傷患者が目標とするADLとして正しいのはどれか。
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出典:公益財団法人東洋療法研修試験財団ホームページ(過去の試験問題等)。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
C6完全麻痺の脊髄損傷患者は、三角筋と上腕二頭筋が機能するため、肩の屈曲・外転と肘の屈曲が可能ですが、手関節・手指の機能は限定されます。そのため、車椅子からの移乗動作は、プッシュアップやボード使用により自立を目指すことが可能です。
選択肢ごとの解説
- 1. C6完全麻痺では、横隔膜といくつかの呼吸補助筋(僧帽筋など)が機能するため、通常は人工呼吸器からの離脱は可能です。人工呼吸器からの離脱が困難なのはC3-4以上の高位損傷であるため、C6完全麻痺の目標としては適切ではありません。 正しくは:C3-4以上の高位脊髄損傷の場合、人工呼吸器からの離脱が重要な目標となる。
- 2. 環境制御装置の利用は、C6完全麻痺の患者にとって生活の質を向上させる有効な手段ですが、より高位(例えばC4-5レベル)の損傷で上肢機能がさらに制限される場合に、特に重要なADL目標となります。C6完全麻痺の患者は、ある程度の手指操作が可能であるため、環境制御装置なしでもできるADLも多いです。したがって、C6患者の最優先目標とまでは言えません。 正しくは:環境制御装置の利用は、C4-5レベルの頚髄損傷で、上肢の残存機能が限定される場合の重要なADL目標となる。
- 3. 正解。C6完全麻痺の患者は、三角筋、上腕二頭筋、橈側手根伸筋群が機能し、手関節背屈が可能となることで、一部の把持動作やプッシュアップが可能となります。これにより、移乗ボードや介助を用いることで、車椅子からベッドへの移乗動作の自立を目指すことが現実的な目標となります。
- 4. C6完全麻痺では、手関節の屈曲・伸展、手指の屈曲・伸展の機能が十分ではなく、また体幹の安定性も不十分です。このため、車椅子を長距離駆動したり、特に坂道で駆動したりする際には、プッシュアップの安定性や効率性に課題があり、自立は困難な場合が多いです。C7レベル以上であれば、肘伸展が可能となり、プッシュアップが容易になるため、坂道での駆動自立も目標となりえます。 正しくは:C7以上の脊髄損傷であれば、坂道での車椅子駆動の自立は現実的な目標となる。
国試ポイント
脊髄損傷の損傷高位と残存機能、および到達可能なADLレベルを理解することが重要である。特にC6レベルでの上肢機能(肩・肘の屈曲)と、それを利用した移乗の可能性を把握する。
混同注意
C6完全麻痺とC5完全麻痺では、上腕二頭筋の機能有無で肘の屈曲能力が異なり、ADLの自立度も大きく変わる。また、C7では手関節伸展が残存するため、より多くのADL自立が可能となる。
次に同じ論点が出たら
脊髄損傷のADLに関する問題が出た場合、まず損傷高位を特定し、その高位で残存する主要な筋力と機能を確認する。特に上肢の機能に着目し、具体的なADL項目(移乗、食事、着替え、車椅子駆動など)との関連性を判断する。
覚え方
脊髄損傷のADLに関する問題が出た場合、まず損傷高位を特定し、その高位で残存する主要な筋力と機能を確認する。特に上肢の機能に着目し、具体的なADL項目(移乗、食事、着替え、車椅子駆動など)との関連性を判断する。
対になる知識
C6完全麻痺とC5完全麻痺では、上腕二頭筋の機能有無で肘の屈曲能力が異なり、ADLの自立度も大きく変わる。また、C7では手関節伸展が残存するため、より多くのADL自立が可能となる。
関連知識
C1-4: 人工呼吸器依存、全介助。C5: 肘屈曲可能、自助具で食事など可能だが、移乗は困難。C6: 手関節背屈が一部可能(橈側手根伸筋群)、移乗自立の可能性あり。C7: 肘伸展・手関節伸展可能、車椅子駆動・移乗自立可能。Th1以下: 上肢機能は正常、下肢装具や車椅子で移動可能。