患者が「よろしくお願いします」と言い、医療従事者が「お任せください」と言う会話から考えられる両者の関係はどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:公益財団法人東洋療法研修試験財団ホームページ(過去の試験問題等)。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
パターナリズムは、医療従事者が患者の意思決定権よりも自身の専門的判断を優先し、患者の利益のために最善と信じる治療法を一方的に決定・提供する関係性を指します。患者が「よろしくお願いします」と全面的に委ね、医療従事者が「お任せください」と受諾する会話は、医療従事者が主導権を握り、患者が受動的立場にあるパターナリズム的な関係性を強く示唆しています。これは、医療提供者側が患者の意思決定能力を低く評価し、またはその意思を考慮せずに、専門知識を背景に介入する状況を反映しています。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。患者が「よろしくお願いします」と医療従事者に全面的に委ね、医療従事者が「お任せください」とそれを受け入れる関係は、医療従事者の専門的判断が患者の意思決定に優先されるパターナリズムの特徴に合致します。
- 2. セカンドオピニオンは、現在の担当医以外の医師に意見を求める行為であり、患者が「よろしくお願いします」と全面的に委ねる状況とは異なります。セカンドオピニオンを求める患者は、自身の意思決定のために情報収集を行う能動的な立場です。 正しくは:患者が診断や治療方針について、現在の医師以外の専門家の意見を求めること。
- 3. インフォームド・アセントは、判断能力が不十分な子どもなどに対して、情報提供の上で治療などに対する「賛意」を得ることを指します。成人患者の「よろしくお願いします」は一般的な承諾表現であり、インフォームド・アセントの概念には該当しません。 正しくは:小児や判断能力が不十分な患者に対し、彼らが理解できる方法で情報を伝え、治療やケアへの「賛意」を得ること。インフォームド・コンセントとは異なり、法的拘束力のある同意ではない。
- 4. インフォームド・コンセントは、患者が疾患や治療法について十分な説明を受け、その内容を理解した上で自らの意思で同意するプロセスです。患者の「よろしくお願いします」は同意の一部と解釈できなくもないですが、医療従事者が「お任せください」と応じるのは、患者の自己決定権の尊重より医療従事者の一方的な決定権が強調されているため、インフォームド・コンセントの原則とは異なります。 正しくは:医療従事者が患者に対し、病状、治療法、予後、代替治療、リスクなどを十分に説明し、患者が理解した上で自らの意思で治療に同意すること。患者の自己決定権を尊重するプロセスである。
国試ポイント
医療倫理における患者と医療従事者の関係性の種類とそれぞれの特徴、特にパターナリズム、インフォームド・コンセント、セカンドオピニオン、インフォームド・アセントの定義と違いを覚えることが重要です。
混同注意
インフォームド・コンセント(説明と同意)は患者の自己決定権を尊重するのに対し、パターナリズムは医療者の専門性を優先する点で対照的です。インフォームド・アセントは子どものような意思決定能力が不十分な患者から得る「賛意」であり、成人患者の「よろしくお願いします」とは意味合いが異なります。
次に同じ論点が出たら
同様の論点が出た場合、患者の意思がどの程度尊重されているか、医療従事者が一方的に決定しているか、あるいは複数の意見を求めているか、といった会話の内容や状況から判断します。
覚え方
同様の論点が出た場合、患者の意思がどの程度尊重されているか、医療従事者が一方的に決定しているか、あるいは複数の意見を求めているか、といった会話の内容や状況から判断します。
対になる知識
インフォームド・コンセント(説明と同意)は患者の自己決定権を尊重するのに対し、パターナリズムは医療者の専門性を優先する点で対照的です。インフォームド・アセントは子どものような意思決定能力が不十分な患者から得る「賛意」であり、成人患者の「よろしくお願いします」とは意味合いが異なります。
関連知識
医療倫理の4原則(自律尊重、善行、無害、正義)と関連付けて理解し、現代医療では患者の自己決定権を尊重するインフォームド・コンセントが基本原則であることを押さえる必要があります。また、アドバンス・ケア・プランニング(ACP)も患者の意思決定を支援する概念として重要です。