「62歳の女性。主訴は腰痛。立位で腰椎の前弯が強く、骨盤が前傾している。膝関節のアライメントの異常はみられなかった。」 伸長し弱化している筋への局所治療穴として最も適切なのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:公益財団法人東洋療法研修試験財団ホームページ(過去の試験問題等)。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
胞肓(BL53)は膀胱経のツボであり、腰殿部の筋肉、特に大殿筋や中殿筋の深層に位置し、腰仙関節周囲の安定化に寄与します。伸長し弱化している筋は、過度に引き伸ばされて機能が低下している状態であり、この種の筋は適切な刺激を与えることで筋出力の改善が期待できます。胞肓への局所治療は、腰殿部から下肢への関連筋群の機能改善に効果的であり、深部の筋群にアプローチすることで、伸長位での弱化を呈する筋の機能回復を促します。
選択肢ごとの解説
- 1. 居髎(GB30)は胆経のツボで、股関節の外側に位置し、主に股関節周囲の疾患や坐骨神経痛に用いられるが、問題文の「伸長し弱化している筋」に対する直接的な局所治療穴としては、胞肓ほど適切ではない場合が多い。胞肓はより腰仙部から殿部深層の筋群にアプローチする。 正しくは:特定の筋群の弱化に対しては、その筋の起始停止や作用、支配神経を考慮し、より関連性の高い経穴を選ぶべきである。
- 2. 衝門(SP12)は脾経のツボで、鼠径部に位置する。下腹部の疾患や泌尿生殖器系の症状に用いられることが主であり、腰殿部の「伸長し弱化している筋」への局所治療穴としては不適切である。解剖学的位置が問題文の意図する部位と大きく異なる。 正しくは:下腹部や鼠径部の問題に適用すべきである。
- 3. 髀関(ST31)は胃経のツボで、大腿前面に位置する。主に大腿四頭筋に関連し、下肢の痺れや麻痺、膝関節の疾患に用いられる。腰殿部の「伸長し弱化している筋」への局所治療穴としては、解剖学的位置が離れすぎており不適切である。特に大腿前面の筋群の治療に用いられる。 正しくは:大腿前面の筋群(大腿四頭筋など)や膝関節疾患に適用すべきである。
- 4. 正解。胞肓(BL53)は膀胱経のツボで、仙骨孔の外側、坐骨結節の上方に位置し、大殿筋や中殿筋の深層部にアプローチできる。伸長し弱化している腰殿部の筋群、特に仙骨周囲の安定化に関わる深部の筋群への直接的な刺激として最も適切である。腰部疾患や坐骨神経痛にも頻用される。
国試ポイント
伸長し弱化している筋への局所治療穴として、その筋の解剖学的位置と作用を理解し、適切な経穴を選択できるか。特に腰殿部の筋群と膀胱経の経穴の関連性を問う。
混同注意
局所治療穴の選択において、単に疼痛部位に近いというだけでなく、筋の機能的状態(伸長・短縮、弱化・過緊張)を考慮した上で、その筋の支配する経絡や解剖学的位置関係を正確に把握することが重要である。また、局所治療穴と遠隔治療穴の区別も必要。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出た場合、まず「伸長し弱化している筋」がどの部位のどの筋群であるかを特定し、次にその筋群に対して解剖学的にアプローチ可能で、かつ機能改善に寄与する経穴がどれであるかを確認する。
覚え方
同様の問題が出た場合、まず「伸長し弱化している筋」がどの部位のどの筋群であるかを特定し、次にその筋群に対して解剖学的にアプローチ可能で、かつ機能改善に寄与する経穴がどれであるかを確認する。
対になる知識
局所治療穴の選択において、単に疼痛部位に近いというだけでなく、筋の機能的状態(伸長・短縮、弱化・過緊張)を考慮した上で、その筋の支配する経絡や解剖学的位置関係を正確に把握することが重要である。また、局所治療穴と遠隔治療穴の区別も必要。
関連知識
腰殿部の筋群(大殿筋、中殿筋、梨状筋など)の機能解剖と、膀胱経、胆経の走行、および関連する経穴(秩辺、居髎、環跳など)。伸長し弱化している筋は、拮抗筋の短縮や過緊張によって引き起こされることが多く、その治療には拮抗筋の緩和と、弱化筋の賦活を同時に行う視点が必要である。