「40歳の男性。右腰下肢が痛み、右足部外側にしびれがある。アキレス腱反射減弱、下肢伸展挙上テスト陽性。」 筋力が最も低下する筋はどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:公益財団法人東洋療法研修試験財団ホームページ(過去の試験問題等)。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
長母指屈筋は、坐骨神経の枝である脛骨神経によって支配されており、下肢の神経麻痺の中でも特にL5〜S1領域の障害や、足根管症候群などで筋力低下が見られやすい部位である。特に糖尿病性神経障害などの末梢神経障害では、一般的に遠位の筋から障害されやすいため、足趾を支配する長母指屈筋の筋力低下が早期に現れやすい傾向にある。
選択肢ごとの解説
- 1. 中殿筋は上殿神経支配であり、L4〜S1領域の障害で筋力低下をきたすが、問題文からは特段の情報がない。また、股関節の重要な外転筋であり、片脚立位時の骨盤安定化に寄与するため、その筋力低下はトレンデレンブルグ徴候として顕著に現れるが、末梢神経障害で最初に筋力低下を呈するとは限らない。
- 2. 前脛骨筋は深腓骨神経(L4〜L5)支配であり、足関節の背屈に重要な役割を果たす。下垂足の原因となるが、長母指屈筋と比較すると、糖尿病性神経障害などの末梢神経障害ではより遠位の筋から障害される傾向があるため、筋力低下が最も早期に現れるとは限らない。
- 3. 大腿四頭筋は大腿神経(L2〜L4)支配であり、膝関節の伸展に重要な役割を果たす。大腿神経麻痺などで筋力低下をきたすが、一般的に末梢神経障害の初期に最も筋力低下を呈する遠位筋ではない。
- 4. 正解。長母指屈筋は脛骨神経(L5〜S2)支配であり、母趾のIP関節、MP関節の屈曲を担う。末梢神経障害、特に糖尿病性神経障害や足根管症候群では、遠位の足趾筋から筋力低下や感覚障害が出現しやすいため、最も筋力低下を呈しやすい筋の一つと考えられる。
国試ポイント
神経支配と筋の機能解剖、そして末梢神経障害における筋力低下のパターンを理解すること。
混同注意
単一の神経による支配筋と、複数の神経による支配筋の区別。また、筋の起始・停止と作用だけでなく、その神経支配を正確に覚えることが重要。
次に同じ論点が出たら
筋力低下を問う問題が出た場合、まずその筋がどの神経に支配されているかを特定し、次にその神経がどのような疾患で障害されやすいかを考える。特に末梢神経障害では遠位筋の障害が先行することが多いため、足趾の筋に着目する。
覚え方
筋力低下を問う問題が出た場合、まずその筋がどの神経に支配されているかを特定し、次にその神経がどのような疾患で障害されやすいかを考える。特に末梢神経障害では遠位筋の障害が先行することが多いため、足趾の筋に着目する。
対になる知識
単一の神経による支配筋と、複数の神経による支配筋の区別。また、筋の起始・停止と作用だけでなく、その神経支配を正確に覚えることが重要。
関連知識
足関節周囲の筋群の神経支配(深腓骨神経、浅腓骨神経、脛骨神経)、各神経が支配する主要な筋、およびそれらの神経が障害された際の典型的な症状(下垂足、尖足、槌趾変形など)。