上肢のブルンストロームステージで「十分な共同運動が出現し、関節運動を伴う屈筋共同運動が出現する」のはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:公益財団法人東洋療法研修試験財団ホームページ(過去の試験問題等)。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
ブルンストロームステージⅢは、上肢の運動機能回復段階において、共同運動が最大限に発揮され、痙縮も最も強くなる時期です。この段階では、患者は随意的に共同運動を開始し、その範囲全体で関節運動を伴う屈筋共同運動(例:肩関節の屈曲・外転・外旋、肘関節の屈曲、前腕の回外、手指の屈曲)が明確に出現します。これは、皮質脊髄路の損傷後の神経再編成が進行し、抑制機能がまだ不十分なため、基本的な共同運動パターンが優位になるためです。
選択肢ごとの解説
- 1. ステージⅠは弛緩期であり、随意運動は全く出現せず、共同運動も見られません。問題文のような運動は出現しません。 正しくは:随意運動が全く出現しない弛緩期。
- 2. ステージⅡは共同運動が出現し始める段階ですが、完全な共同運動というよりは「部分的な共同運動」や「共同運動の要素」が見られる時期です。問題文の「十分な共同運動が出現し、関節運動を伴う屈筋共同運動が出現する」という表現はステージⅢの特徴に合致します。 正しくは:共同運動が『出現し始める』、または『要素として部分的に』出現する時期。
- 3. 正解。ステージⅢは、共同運動が最大限に出現する段階であり、痙縮も強くなります。問題文にある「十分な共同運動が出現し、関節運動を伴う屈筋共同運動が出現する」という記述は、このステージⅢの定義と完全に一致します。患者は随意的に共同運動を開始でき、その全体的なパターンが明確に観察されます。
- 4. ステージⅣは、共同運動から分離運動への移行が始まる段階であり、共同運動パターンから逸脱した、より選択的な運動が可能になります。問題文にあるような「十分な共同運動が出現し、関節運動を伴う屈筋共同運動が出現する」という記述は、共同運動が支配的であったステージⅢの記述であり、ステージⅣの特徴とは異なります。 正しくは:共同運動パターンから逸脱した分離運動が、まだ限定的ではあるが可能となる時期。
国試ポイント
ブルンストロームステージの各段階における運動機能の特徴と、共同運動・分離運動の出現時期を正確に覚えること。特にステージⅢは共同運動が最大となる時期と理解する。
混同注意
各ステージにおける共同運動の『出現』と『コントロール』の程度を混同しやすい。ステージⅢは『出現』が顕著だが、まだ『分離運動のコントロール』は不十分である。
次に同じ論点が出たら
同様の論点が出た場合は、「共同運動の出現状況(例:部分共同運動、完全共同運動、分離運動への移行)」「痙縮の程度」「随意性」に着目し、各ステージの定義と照らし合わせて判断する。
覚え方
同様の論点が出た場合は、「共同運動の出現状況(例:部分共同運動、完全共同運動、分離運動への移行)」「痙縮の程度」「随意性」に着目し、各ステージの定義と照らし合わせて判断する。
対になる知識
各ステージにおける共同運動の『出現』と『コントロール』の程度を混同しやすい。ステージⅢは『出現』が顕著だが、まだ『分離運動のコントロール』は不十分である。
関連知識
ブルンストロームステージは脳卒中後の片麻痺の回復段階を評価する指標であり、ステージⅠ:弛緩期、ステージⅡ:共同運動出現期(部分共同運動)、ステージⅢ:共同運動最大期(完全共同運動)、ステージⅣ:分離運動初期、ステージⅤ:分離運動後期、ステージⅥ:ほぼ正常運動、と段階が進むにつれて随意運動能力が向上し、痙縮はⅢでピークを迎え、Ⅳ以降で減少していく。