「45歳の女性。職業は美容師。主訴は右上肢全体の持続的なだるさ。腱反射は正常。ライトテストは陽性。ジャクソンテスト、アドソンテストはともに陰性。」 病態について最も適切なのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:公益財団法人東洋療法研修試験財団ホームページ(過去の試験問題等)。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
選択肢3の「髪をカットする姿勢」は、美容師が腕を上げて頭部を傾けるような体位を指し、胸郭出口症候群の典型的な誘発肢位であるWrightテストやAdsonテストに類似しており、神経血管束が圧迫され症状が誘発されやすいからです。
選択肢ごとの解説
- 1. 胸郭出口症候群では、鎖骨下動脈の圧迫により血流障害(虚血症状)をきたすことがあり、末梢の冷感や色調変化として現れるため、「血流障害はない」は誤りです。 正しくは:血流障害をきたすことがある。
- 2. 胸郭出口症候群では、腕神経叢の下神経幹(C8, T1)が圧迫されると、正中神経や尺骨神経の支配領域である小指球筋などの筋力低下、特に握力低下をきたすことがあるため、「握力低下はない」は誤りです。 正しくは:握力低下をきたすことがある。
- 3. 正解。美容師が髪をカットする姿勢は、腕を挙上した状態で頸部を回旋・伸展させる体位を伴うことが多く、これは胸郭出口症候群の典型的な誘発肢位(WrightテストやAdsonテスト)に相当し、神経血管束の圧迫により症状が誘発されやすいからです。
- 4. 「空を見上げる姿勢」は、頸部を過伸展させる姿勢であり、これは頚椎症性神経根症や椎骨脳底動脈循環不全(後頸部交感神経症候群)の症状を誘発しやすい姿勢です。胸郭出口症候群の典型的な誘発肢位とは異なります。 正しくは:頚椎症性神経根症や椎骨脳底動脈循環不全で症状が誘発されやすい。
国試ポイント
胸郭出口症候群の誘発テストと典型的な症状出現肢位を理解すること。
混同注意
胸郭出口症候群と頚椎症性神経根症の症状誘発肢位の鑑別。
次に同じ論点が出たら
今後同様の症例が出題された場合、上肢挙上や頭部・頸部の特定の肢位での症状誘発の有無を確認し、胸郭出口症候群の診断を判断する。
覚え方
今後同様の症例が出題された場合、上肢挙上や頭部・頸部の特定の肢位での症状誘発の有無を確認し、胸郭出口症候群の診断を判断する。
対になる知識
胸郭出口症候群と頚椎症性神経根症の症状誘発肢位の鑑別。
関連知識
胸郭出口症候群は、斜角筋、鎖骨、小胸筋によって形成されるスペースで腕神経叢や鎖骨下動脈・静脈が圧迫される病態である。症状誘発テストには、Adsonテスト、Wrightテスト、Roosテスト(または上肢挙上負荷テスト)がある。