病初期から人格障害がよくみられるのはどれか。
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出典:公益財団法人東洋療法研修試験財団ホームページ(過去の試験問題等)。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
前頭側頭型認知症(FTLD)は、前頭葉および側頭葉前部に局所的な神経変性が生じることで、大脳皮質の機能障害、特に社会的認知、行動制御、感情調整に関わる領域が障害されます。これにより、病初期から脱抑制、社会性の逸脱、共感性の低下、常同行動などの人格変化や行動異常が顕著に現れます。
選択肢ごとの解説
- 1. 脳血管性認知症は、脳梗塞や脳出血などの脳血管障害によって生じる認知症であり、病変部位や範囲によって症状は多様ですが、人格障害が病初期から顕著に現れることは稀です。むしろ、記憶障害や遂行機能障害、感情失禁などが見られます。 正しくは:脳血管性認知症では、人格障害よりもむしろ、病巣に応じた局所神経症状や、感情失禁、意欲低下、記憶障害などが特徴的である。
- 2. 正解。前頭側頭型認知症は、前頭葉および側頭葉前部の変性により、行動異常、社会性の逸脱、脱抑制、共感性の低下といった人格変化が病初期から顕著に認められるため、正しい選択肢です。
- 3. アルツハイマー病は、記憶障害が病初期の主症状であり、その後、見当識障害、実行機能障害などが進行します。人格変化は病状が進行してから現れることが多く、病初期から人格障害が顕著にみられることは稀です。 正しくは:アルツハイマー病は、病初期にはエピソード記憶障害が中心である。
- 4. レビー小体型認知症は、認知変動、幻視、パーキンソニズムが三徴候とされており、これらが病初期からみられます。人格障害が病初期から前面に出ることは少なく、幻視に伴う妄想などが行動異常として誤解されることはありますが、人格そのものの変質とは異なります。 正しくは:レビー小体型認知症では、病初期から認知変動、幻視、パーキンソニズムが特徴的にみられる。
国試ポイント
前頭側頭型認知症の主要な特徴として、病初期からの人格変化、行動異常、言語障害を覚える。他の認知症との鑑別点を理解する。
混同注意
前頭側頭型認知症とアルツハイマー病は、初期症状が異なる点が重要である。アルツハイマー病は記憶障害が主症状であるのに対し、前頭側頭型認知症は人格変化や行動障害が先行する。また、レビー小体型認知症は認知変動、幻視、パーキンソニズムが特徴的である。
次に同じ論点が出たら
病初期からの行動異常、脱抑制、共感性低下、常同行動などの症状が問われた場合、前頭側頭型認知症を第一に疑う。
覚え方
病初期からの行動異常、脱抑制、共感性低下、常同行動などの症状が問われた場合、前頭側頭型認知症を第一に疑う。
対になる知識
前頭側頭型認知症とアルツハイマー病は、初期症状が異なる点が重要である。アルツハイマー病は記憶障害が主症状であるのに対し、前頭側頭型認知症は人格変化や行動障害が先行する。また、レビー小体型認知症は認知変動、幻視、パーキンソニズムが特徴的である。
関連知識
前頭側頭型認知症は行動型FTD(bvFTD)と原発性進行性失語(PPA)に大別され、PPAはさらに非流暢性失語型、意味性認知症型などに分類される。病理学的にはタウ蛋白やTDP-43蛋白の蓄積が関連する。ピック病はこの病態の代表的なものである。