末梢性顔面神経麻痺の回復期に、食事中に意図せず涙が分泌される現象(ワニの涙症候群)を引き起こす原因はどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
正解は4番
解説
ワニの涙症候群は、顔面神経の再生過程において、唾液腺を支配する神経線維が誤って涙腺に向かって再生(過誤再生)してしまうことで起こる後遺症である。
選択肢ごとの解説
- 1. 炎症性浮腫は急性期の病態であり、回復期における神経の迷入による後遺症の機序ではない。
- 2. 脱髄変性は髄鞘の障害であり、神経線維が誤って別の標的へ伸びる異常な再生機序とは異なる。
- 3. 神経断裂そのものが治癒過程での異常分泌を引き起こすのではなく、不正確な再結合による過誤再生が原因である。
- 4. 正解。ワニの涙症候群は、顔面神経の再生過程において、唾液腺を支配する神経線維が誤って涙腺に向かって再生(過誤再生)してしまうことで起こる後遺症である。
国試ポイント
顔面神経麻痺の後遺症である「ワニの涙(味覚涙液反射)」や「連合運動」が、どのようなメカニズム(神経の過誤再生)で起きるかが問われる。
覚え方
ワニの涙 = 誤った再生(過誤再生)
対になる知識
末梢性顔面神経麻痺の経過に伴う臨床症状の変遷を対比して覚える。急性期には、兎眼、味覚障害、聴覚過敏などの麻痺症状が顕著に現れる。これに対し、回復期や慢性期には、神経の誤った再生に起因する連合運動や、食事中に涙が分泌されるワニの涙症候群といった神経の過誤再生に伴う特異的な臨床症状が出現するようになる。
関連知識
顔面神経には、表情筋の運動枝だけでなく、鼓索神経(唾液分泌・味覚)や大錐体神経(涙腺分泌)などの副交感神経線維が含まれている。神経の再生過程において線維の走行先が誤ると、唾液分泌の指令に対して涙腺が反応するなどの過誤再生現象が生じ、臨床的な特徴となる。