登はん性起立がみられるのはどれか。
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出典:公益財団法人東洋療法研修試験財団ホームページ(過去の試験問題等)。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
デュシェンヌ型筋ジストロフィーはX連鎖劣性遺伝性の進行性筋力低下を特徴とし、特に体幹や近位筋群の筋力低下が顕著です。立ち上がる際に、下肢の筋力低下を代償するために、両手を膝や大腿に置きながら体幹を押し上げるようにして起立する動作(登はん性起立、Gowers徴候)がみられます。これは進行性の筋力低下、特に股関節伸展筋の弱化が原因で生じます。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。デュシェンヌ型筋ジストロフィーでは、進行性の下肢近位筋の筋力低下により、立ち上がる際に両手で膝や太ももを押し上げながら体幹を起こす特徴的な登はん性起立(Gowers徴候)が認められます。
- 2. 重症筋無力症は神経筋接合部の機能異常による筋力低下と易疲労性が特徴で、反復運動により筋力が低下し、休息により回復します。登はん性起立は通常みられず、眼瞼下垂や複視、球麻痺症状が特徴的です。 正しくは:重症筋無力症では、眼瞼下垂、複視、構音障害、嚥下障害などの球麻痺症状や、四肢の筋力低下と易疲労性がみられます。
- 3. 中心性脊髄損傷は脊髄の中心部に損傷がある状態で、上肢に強く、下肢に比較的軽度の運動麻痺や感覚障害が生じます。登はん性起立のような特定の起立動作ではなく、障害部位に応じた麻痺により起立自体が困難になることがあります。 正しくは:中心性脊髄損傷では、上肢の運動麻痺が下肢よりも強く現れることが多いです(上肢優位の麻痺)。
- 4. 脳性麻痺は、出生前・周産期・出生後の脳の非進行性病変によって生じる運動および姿勢の障害です。痙直型、アテトーゼ型など様々なタイプがあり、起立困難を伴うことはありますが、登はん性起立のように手を使い体幹を押し上げる動作は通常みられません。多くは痙性や不随意運動、運動失調を伴います。 正しくは:脳性麻痺では、痙縮、アテトーゼ、運動失調など、障害タイプに応じた運動障害が見られますが、登はん性起立は特徴的ではありません。
国試ポイント
筋ジストロフィーにおける特徴的な症状である登はん性起立(Gowers徴候)を理解し、他の神経筋疾患との鑑別点を覚えることが重要です。
混同注意
登はん性起立は、下肢近位筋の筋力低下がある疾患でみられますが、特に筋ジストロフィーに特徴的です。脊髄損傷や脳性麻痺では筋力低下のパターンや、それに伴う起立動作の様式が異なります。
次に同じ論点が出たら
「登はん性起立」または「Gowers徴候」というキーワードを見たら、筋ジストロフィー、特にデュシェンヌ型筋ジストロフィーを第一に想起して判断します。他の選択肢の疾患で同様の症状が出ることは稀であることを確認します。
覚え方
「登はん性起立」または「Gowers徴候」というキーワードを見たら、筋ジストロフィー、特にデュシェンヌ型筋ジストロフィーを第一に想起して判断します。他の選択肢の疾患で同様の症状が出ることは稀であることを確認します。
対になる知識
登はん性起立は、下肢近位筋の筋力低下がある疾患でみられますが、特に筋ジストロフィーに特徴的です。脊髄損傷や脳性麻痺では筋力低下のパターンや、それに伴う起立動作の様式が異なります。
関連知識
デュシェンヌ型筋ジストロフィーはジストロフィン遺伝子変異によるもので、主に男児に発症します。進行性に筋力低下が進み、心筋症や呼吸器合併症も伴います。治療法としてはステロイド療法や遺伝子治療の研究が進められています。ベッカー型筋ジストロフィーは軽症型です。