衛気
東洋医学
はじめに
衛気は、人体を構成する気の種類の一つで、脈外を巡り体表を守る陽気です。外邪の防御や汗孔の開閉調節などの生理作用を担い、東洋医学の国家試験でも頻出の重要な概念です。
何を指すか
衛気は陽気の一部であり、水谷の精微のうち比較的性急で猛烈な部分や最も悍疾で清くない部分から化生される気です。中焦から出発し、脈中に入らず脈外を猛烈に運行する性質を持っています。
基本の考え方
気は人体を構成して生命活動を維持する精微な物質であり、生成源や分布、機能の違いによって衛気・営気・宗気・原気の四つに大きく分類されます。衛気はその中で体表の防御や温煦を担当する位置づけにあります。
はたらきと病証
皮膚や筋肉の間を温める温煦作用や、外邪の侵入を防ぐ防衛作用、汗孔の開閉を調節して発汗をコントロールする作用を持ちます。また、昼間は陽経を巡り夜間は陰経に入ることで睡眠と覚醒の生体リズムを調節しています。衛気が虚すると、体表の防衛機能が低下して自汗や風邪などの外感病に罹りやすくなります。
関連する臓腑・経絡
肺の宣発作用により皮膚や腠理に散布され、昼間は足の太陽膀胱経をはじめとする陽経を巡り、夜間は五臓六腑の陰経を巡ります。鍼灸治療では補気や表証の治療において重要な指標となります。
国家試験のポイント
気の種類である衛気・営気・宗気・原気のそれぞれの生成場所、巡る部位、主要な働きを区別して覚えることが重要です。特に衛気の「脈外を巡る」「体表の温煦」「汗孔の開閉調節」「外邪の防御」という特徴が頻繁に問われます。
間違えやすいところ
営気や宗気、原気といった他の気の種類との混同に注意が必要です。営気は脈中を巡り血とともに全身を滋養し、宗気は胸中に集まり呼吸と心脈を助け、原気は腎に宿り生命活動の根本となるため、それぞれの運行経路と生理作用を明確に区別して覚える必要があります。