筋緊張亢進により肩関節の内旋制限がみられる患者に対して、施術対象となる筋はどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:公益財団法人東洋療法研修試験財団ホームページ(過去の試験問題等)。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
棘下筋は肩関節の外旋筋であり、内旋筋の筋緊張亢進によって内旋制限がある場合、その拮抗筋である外旋筋を弛緩させることで内旋可動域の改善が期待できるため、施術対象となります。これは拮抗筋を治療対象とする間接的なアプローチです。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。棘下筋は肩関節の外旋筋であり、内旋筋の緊張亢進による内旋制限に対して、その拮抗筋である外旋筋を施術対象とすることで、関節のバランスを整え内旋可動域の改善を図るという間接的な治療アプローチが考えられるため正しいです。
- 2. 大円筋は肩関節の内旋、内転、伸展作用を持つ筋です。内旋制限の原因筋となりうるため、緊張亢進がみられる場合は施術対象となりえますが、問題文は「内旋制限がみられる患者に対して、施術対象となる筋はどれか」であり、最も適切な選択肢ではありません。特に、棘下筋は内旋筋の拮抗筋として機能するため、内旋制限の緩和に間接的に寄与するという点で、より適切な選択肢と考えられます。 正しくは:内旋制限の直接的な原因筋として施術対象となる可能性はありますが、内旋筋群全体の緊張緩和を目指すか、拮抗筋である外旋筋へのアプローチを優先するかは臨床判断によります。
- 3. 肩甲下筋は肩関節の強力な内旋筋です。内旋制限の原因筋そのものであり、この筋の筋緊張亢進が内旋制限を引き起こしている可能性が高いため、施術対象となりえます。しかし、選択肢1の棘下筋は内旋筋の拮抗筋であり、問題の意図として、拮抗筋へのアプローチという点でより一般的な治療戦略として提示されている可能性があります。もし選択肢1がなければ、肩甲下筋も適切な選択肢となりうるでしょう。 正しくは:内旋制限の直接的な原因筋として施術対象となる可能性は非常に高いです。
- 4. 上腕三頭筋は肘関節の伸展と肩関節の伸展・内転に関与する筋であり、肩関節の内旋運動には直接関与しません。したがって、内旋制限に対する施術対象とはなりません。 正しくは:上腕三頭筋は肘関節伸展、肩関節伸展・内転筋であり、肩関節内旋とは関連が薄い。
国試ポイント
肩関節の内旋・外旋に関わる筋群とその拮抗作用を理解し、可動域制限に対する治療介入の考え方を覚えること。
混同注意
肩関節の内旋制限がある場合、直接的に制限を引き起こしている内旋筋(例:肩甲下筋、大胸筋、広背筋など)を緩めるアプローチと、その拮抗筋である外旋筋(棘下筋、小円筋)を活性化または弛緩させることで関節運動を促すアプローチを混同しやすい。
次に同じ論点が出たら
今後同様の問題が出題された場合は、まず制限されている関節運動(内旋制限)と、その運動方向に対する主要な筋群(内旋筋)を特定し、次に選択肢の中から直接的な原因筋か、あるいはその拮抗筋であるかを判断して施術対象筋を選択する。
覚え方
今後同様の問題が出題された場合は、まず制限されている関節運動(内旋制限)と、その運動方向に対する主要な筋群(内旋筋)を特定し、次に選択肢の中から直接的な原因筋か、あるいはその拮抗筋であるかを判断して施術対象筋を選択する。
対になる知識
肩関節の内旋制限がある場合、直接的に制限を引き起こしている内旋筋(例:肩甲下筋、大胸筋、広背筋など)を緩めるアプローチと、その拮抗筋である外旋筋(棘下筋、小円筋)を活性化または弛緩させることで関節運動を促すアプローチを混同しやすい。
関連知識
肩関節の内旋筋は肩甲下筋、大胸筋、広背筋、大円筋であり、外旋筋は棘下筋、小円筋である。肩関節の可動域制限に対しては、短縮している筋のストレッチや、その拮抗筋の強化・弛緩が有効な治療戦略となる。