「47歳の女性。頭痛が続き、いらだちがある。耳鳴りもあり受診した。口苦があり、睡眠が浅い。昨年に閉経。舌は紅、脈は弦数、腹は胸脇苦満を認める。」 内分泌検査で血中濃度が基準値より高いのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:公益財団法人東洋療法研修試験財団ホームページ(過去の試験問題等)。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
ゴナドトロピンは、卵巣機能不全や閉経後など、性ホルモン産生臓器からのフィードバックが低下した場合に、視床下部-下垂体-性腺系の負のフィードバック機構が解除されることで、下垂体からの分泌が亢進し血中濃度が上昇します。特に閉経後の女性では、卵巣からのエストロゲン分泌が停止するため、ゴナドトロピン(LH、FSH)が著しく高値となります。
選択肢ごとの解説
- 1. バソプレシンは、主に抗利尿ホルモン(ADH)として作用し、浸透圧の上昇や有効循環血液量の減少によって分泌が亢進します。通常の内分泌検査で基準値より『常に』高い状態が続くことは特定の疾患を除き稀であり、変動が大きいです。 正しくは:バソプレシンが基準値より高い場合は、SIADH(抗利尿ホルモン不適切分泌症候群)などの病態が考えられます。
- 2. 正解。ゴナドトロピン(LH、FSH)は、卵巣や精巣の機能が低下すると、負のフィードバック機構が解除され、下垂体からの分泌が亢進します。特に閉経後の女性では卵巣からのエストロゲン分泌が停止するため、ゴナドトロピンが著しく高値となります。
- 3. エストラジオールは、主に卵巣から分泌される女性ホルモンです。血中濃度が基準値より高いのは、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)やエストロゲン産生腫瘍など特定の病態であり、一般的な内分泌検査で『常に』高いと断定はできません。閉経後ではむしろ低下します。 正しくは:エストラジオールが基準値より高い場合は、多嚢胞性卵巣症候群やエストロゲン産生腫瘍などが考えられます。
- 4. プロスタグランジンは、脂質代謝物由来の生理活性物質で、炎症や免疫反応、血管拡張、子宮収縮など多岐にわたる作用を示します。通常、血中濃度が常に基準値より高いことはなく、局所的な産生や短時間での変動が大きいです。内分泌検査で恒常的に高値を示す主要なホルモンではありません。 正しくは:プロスタグランジンは、炎症性疾患や特定の腫瘍(例: プロスタグランジン産生腫瘍)などで血中濃度が上昇することがあります。
国試ポイント
内分泌検査におけるホルモン値の変動とその臨床的意義、特にフィードバック機構を理解すること。
混同注意
視床下部-下垂体-標的臓器のフィードバック制御において、どのホルモンがどのレベルで分泌されるか、またその増減が何を意味するかを混同しないこと。特に、刺激ホルモンと標的臓器ホルモンの関係。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出た場合、まず提示されたホルモンがどの臓器から分泌され、どの臓器に作用するか、そしてフィードバック機構がどのように働いているかを判断します。特に、標的臓器の機能不全時(例えば性腺機能不全、甲状腺機能不全など)には、上位の刺激ホルモンが上昇する傾向にあることを念頭に置きます。
覚え方
同様の問題が出た場合、まず提示されたホルモンがどの臓器から分泌され、どの臓器に作用するか、そしてフィードバック機構がどのように働いているかを判断します。特に、標的臓器の機能不全時(例えば性腺機能不全、甲状腺機能不全など)には、上位の刺激ホルモンが上昇する傾向にあることを念頭に置きます。
対になる知識
視床下部-下垂体-標的臓器のフィードバック制御において、どのホルモンがどのレベルで分泌されるか、またその増減が何を意味するかを混同しないこと。特に、刺激ホルモンと標的臓器ホルモンの関係。
関連知識
ゴナドトロピンにはLH(黄体形成ホルモン)とFSH(卵胞刺激ホルモン)があり、どちらも下垂体前葉から分泌されます。エストラジオールは卵巣から分泌される性ホルモンであり、ゴナドトロピンの分泌を負に制御します。プロスタグランジンは局所作用が強い生理活性物質で、血中濃度が恒常的に高いというよりは炎症などで産生が亢進します。バソプレシンはADHとも呼ばれ、抗利尿作用や血管収縮作用を持ち、浸透圧上昇や循環血液量減少で分泌が亢進します。