刺鍼

手技

はじめに

刺鍼とは、身体の特定の部位である経穴に対して鍼を用いて刺激を与える、鍼治療の基本的な手技である。痛みの緩和や血流の改善などを目的に行われるが、解剖学的な危険部位への配慮が不可欠である。

どんな手技か

鍼治療における主たる操作であり、刺手によって鍼を把持して刺入・操作を行い、押手によって刺入部位の皮膚の緊張度を調節する。両手の協調により正確かつ安全な刺激が可能となる。

方法

刺手で鍼を直接持って刺入や手技の操作を行いつつ、押手で刺入部位の皮膚を適度に展延・圧迫して固定する。押手には皮膚の緊張度を調節して刺入を容易にし、痛みを軽減するほか、患者の急な体動を察知して事故を防ぐ安全管理の役割がある。

適応と禁忌

痛みの悪循環を断ち切るために用いられ、局所の血流障害や酸素不足、発痛物質の蓄積に起因する疼痛に対して適応となる。一方で、頭頸部の瘂門や天突、背部の附分など、延髄、気管・食道・大血管、肺尖部に近接する解剖学的危険部位への過剰な深刺は、重大な損傷を引き起こすため避けるべきである。

国家試験のポイント

国家試験では、頭頸部や胸背部の経穴における深刺による損傷リスクや、刺手と押手の役割分担、刺鍼刺激による末梢の血流改善や一酸化窒素の産生といった生理学的機序が頻出する。また、神経根障害におけるデルマトームの対応関係も重要視される。

間違えやすいところ

刺手と押手の機能混同に注意が必要であり、刺手が鍼の把持や操作を担うのに対し、押手は皮膚の緊張調節だけでなく体動を察知する安全管理の役割を持つ点が区別される。また、経穴ごとの解剖学的隣接臓器とリスクの組み合わせを正確に把握しなければならない。

刺鍼が問われる国家試験問題(7問)

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