デルマトーム
解剖学
はじめに
デルマトームは特定の脊髄神経が支配する皮膚の知覚領域を示す用語である。国家試験では頸髄や腰髄の神経根障害における知覚異常の部位や、経穴との対応関係を問う問題の基礎として頻出する。
どこにある何か
デルマトームとは、皮膚の知覚神経支配領域のことを指し、特定の脊髄神経が体のどの部分の皮膚感覚を担っているかを示すものである。神経根の障害高位を特定するうえで極めて重要な指標となる。
神経支配と血管
デルマトームは脊髄神経によって支配されており、各神経根がそれぞれ担当する皮膚の分節領域を構成している。上位の頸髄から下位の腰髄や仙髄に至るまで、全身の皮膚にわたって一定の規則性を持って区分されている。
はたらき
デルマトームは、それぞれの脊髄神経がどの部位の皮膚感覚を担当しているかを示し、内臓疾患の関連痛や募穴における神経学的背景を理解する役割を持っている。神経根の障害が生じた際に、どの部位に痛みやしびれ、感覚低下が現れるかを判断するための基準となる。
国家試験のポイント
国家試験では、各神経根のデルマトームと障害部位の組み合わせが問われる。例えばC5神経根は肩から上腕外側、C7神経根は手背中央から中指、L5神経根は下腿外側から足背や母趾に至る領域を支配することなどが重要なポイントとなる。
間違えやすいところ
運動神経が支配する領域であるミオトームと混同しやすい点に注意が必要である。デルマトームはあくまで皮膚の知覚神経支配領域であり、筋力低下や反射を中心とするミオトームの領域と区別して覚える必要がある。
デルマトームが問われる国家試験問題(8問)
- 第136問次の文で示す症例の罹患筋に対する刺鍼部位として最も適切なのはどれか。「20歳の男性。右…
- 第197問上肢の筋と作用の組合せで正しいのはどれか。
- 第513問「40歳の男性。右腰下肢が痛み、右足部外側にしびれがある。アキレス腱反射減弱、下肢伸展…
- 第594問気管支拡張症について正しいのはどれか。
- 第606問ウイルス性肝炎と感染経路の組合せで正しいのはどれか。
- 第694問「45歳の女性。職業は美容師。主訴は右上肢全体の持続的なだるさ。腱反射は正常。ライトテ…
- 第981問閉塞性換気障害を呈する疾患はどれか。
- 第1029問次の症例で最も適切な疾患はどれか。「75歳の女性。円背で胸腰椎移行部に圧痛を認める。1…