血糖値
生理学
はじめに
血糖値とは血液中に含まれるグルコース(ブドウ糖)の濃度を指す言葉です。生体のエネルギー源として極めて重要であり、インスリンなどのホルモンによって厳密に調節されています。
何を指すか
血糖値は血液中のブドウ糖の量を表すものであり、身体のエネルギー代謝において中心的な役割を担っています。通常時の測定値はその瞬間の状態を示しますが、赤血球中のヘモグロビンと結合したHbA1cを用いることで、過去1〜2か月間の平均的な血糖コントロール状態を評価することができます。
しくみ
血糖値は、唯一の血糖降下ホルモンであるインスリンと、血糖値を上昇させる抗インスリンホルモンとのバランスによって保たれています。インスリンは膵臓のランゲルハンス島B細胞から分泌され、末梢組織へのグルコース取り込みやグリコーゲン合成を促進し、糖新生を抑制して血糖値を低下させます。一方、糖質コルチコイドやグルカゴン、アドレナリン、成長ホルモンなどは、肝臓でのグリコーゲン分解や糖新生を促進して血糖値を上昇させます。
調節と関連
血糖値の調節には、すい臓から分泌されるインスリンやグルカゴンをはじめとする複数のホルモンが深く関わっています。また、副腎皮質から分泌される糖質コルチコイドなども糖代謝に関与し、血糖値を上昇させる方向へ働きます。
国家試験のポイント
国家試験では、インスリンを分泌する細胞や血糖降下作用の機序、およびグルカゴンや糖質コルチコイドといった血糖上昇ホルモンとの違いが頻出です。また、HbA1cが反映する期間や、唯一の血糖降下ホルモンがインスリンである点なども正確に覚える必要があります。
間違えやすいところ
インスリンが唯一の血糖降下ホルモンであるのに対し、グルカゴンや糖質コルチコイド、アドレナリン、成長ホルモンなどが血糖上昇ホルモンである点を混同しないよう注意が必要です。また、過去の血糖状態を反映する検査として、HbA1cが示す期間と他の検査指標の期間を間違えないように区別することが大切です。