糖尿病
疾患
はじめに
糖尿病は、インスリンの作用不足や分泌低下によって高血糖が慢性的に持続する代謝疾患です。放置すると全身に様々な合併症を引き起こすため、早期の発見と適切な血糖コントロールが極めて重要となります。
どんな病気か
糖尿病はインスリンの働きが十分に発揮されないことで血液中のブドウ糖が増加する疾患であり、代謝異常を背景として動脈硬化や多様な臓器障害を招きます。我が国において透析導入原因の第1位となる糖尿病性腎症などの全身性疾患を引き起こす基盤となります。
原因と病態
インスリンの分泌低下や作用不足が主な原因となり、持続する高血糖状態が引き起こされます。代謝異常により血管内皮障害が生じやすく、血小板凝固能の亢進や線溶系の低下を伴うことで、動脈硬化や血栓形成のリスクが著しく高まる病態が形成されます。
症状
高血糖が進行すると、血糖値が腎臓の糖再吸収閾値を超えることで尿糖陽性が認められます。また、白血球の貪食能低下などから免疫機能が低下し、真菌感染症や重篤な細菌感染症を合併しやすい易感染性を示します。
検査・診断
血液中のヘモグロビンが糖化された割合を示すHbA1cを用いて評価を行い、採血時点より過去1から2か月の平均的な血糖コントロール状態を判定します。また、腎機能や血管障害の評価として尿検査や各種の臨床検査が行われます。
国家試験のポイント
国家試験では、細小血管障害である網膜症、腎症、神経障害の三大合併症や、大血管障害との分類が頻出します。また、過去の平均血糖値を反映するHbA1cの期間や、膵癌の独立した危険因子の一つである点も深く問われます。
間違えやすいところ
血栓形成のリスクを高める代謝疾患である糖尿病と、肝硬変や再生不良性貧血などによる出血傾向をきたす疾患を混同しないよう注意が必要です。また、結核などのように免疫低下の結果として発症する疾患と、糖尿病のような易感染性を引き起こす病態の原因と結果を区別して理解することが求められます。