呼吸困難
臨床医学
はじめに
呼吸困難とは、息苦しさや空気を十分に吸い込めない不快な感覚を指す主観的な呼吸器症状です。肺の換気障害やガス交換の異常、胸腔内の病変などにより引き起こされ、様々な疾患の重要な兆候となります。
何を指すか
呼吸困難は、肺の換気障害やガス交換の異常、胸腔内の病変などによって引き起こされる呼吸器症状の一つです。動脈血酸素飽和度が正常であっても、換気不全や肺血流異常などにより呈することがあります。
目的と適応
呼吸困難や息切れの程度を客観的・段階的に把握することで、疾患の重症度評価や日常生活動作(ADL)の制限度合いを明確にするために評価が行われます。また、適切な治療やリハビリテーション方針を決定するうえでも重要となります。
方法
呼吸困難や息切れの重症度を評価するためには、日常生活における制限度合いを基準としたヒュー・ジョーンズの息切れ分類や、MRC息切れスケール、主観的強度を数値化するボルグスケールなどが用いられます。さらに、スパイロメトリーによる呼吸機能検査などの各種検査を通じて原因疾患の特定が行われます。
判定と意義
評価指標の結果から、患者の活動能力の制限度合いや呼吸機能の障害レベルを読み取ります。ヒュー・ジョーンズ分類などの結果は、日常生活の困難さや疾患の進行度を判断する基準として活用されます。
国家試験のポイント
国家試験では、気胸における突発的な胸痛と呼吸困難の組み合わせや、慢性閉塞性肺疾患における労作時呼吸困難の病態がよく問われます。また、ヒュー・ジョーンズの息切れ分類の段階ごとの症状や、NYHA心機能分類との違いも重要なポイントとなります。
間違えやすいところ
呼吸困難の評価に用いられるヒュー・ジョーンズの分類は5段階であるのに対し、心疾患の重症度を示すNYHA心機能分類は4段階であるため、段階数や評価対象の概念を混同しないよう注意が必要です。