浮腫

病理学

はじめに

浮腫とは、毛細血管からの液体の滲出やリンパ還流障害などにより、組織間隙や細胞間隙に過剰な水分が貯留した病態を指します。全身性あるいは局所性に生じ、循環障害や東洋医学の分野でも重要な基本用語として扱われます。

何を指すか

浮腫は、毛細血管からの液体の滲出やリンパ還流障害などによって、組織間隙へ過剰な水分が貯留する現象です。全身に現れることもあれば、特定の局所だけに生じることもあります。

病態と機序

浮腫の発生には、毛細血管内圧の上昇、血漿膠質浸透圧の低下、毛細血管透過性の亢進、およびリンパ管閉塞によるリンパ還流障害の4つの主要な要因が関与しています。これらはスターリングの仮説に基づく病態生理であり、例えばうっ血性心不全では静脈圧上昇に伴い毛細血管内圧が上昇し、ネフローゼ症候群や肝硬変では低アルブミン血症によって血漿膠質浸透圧が低下することで水分が組織間隙へ移行します。

分類と所見

浮腫を引き起こす代表的な疾患として、毛細血管内圧の上昇を伴ううっ血性心不全や深部静脈血栓症、血漿膠質浸透圧低下によるネフローゼ症候群や肝硬変、血管透過性亢進によるじんま疹や炎症、リンパ還流障害による腫瘍や手術後のリンパ節郭清が挙げられます。また東洋医学では、湿邪の重濁性や粘滞性によって下肢の浮腫や身体の重だるさが引き起こされます。

国家試験のポイント

国家試験では、浮腫の4大機序とそれぞれの代表的疾患の組み合わせが頻出です。特にネフローゼ症候群における大量蛋白尿、低アルブミン血症、高脂血症、そして全身性浮腫の関連性や、切断術後における断端包帯の目的が浮腫の予防と円錐形形成である点などが問われます。

間違えやすいところ

循環障害の基本用語である浮腫、充血、鬱血、血栓症、塞栓症、梗塞の定義を混同しないように注意が必要です。浮腫は水分貯留を指しますが、充血は動脈血の過剰流入、鬱血は静脈血のうっ滞を指すため、それぞれの病態機序を明確に区別して覚える必要があります。

浮腫が問われる国家試験問題(10問)

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