病気の解説
染色体異常
別名:ねこなき症候群、ねこ鳴き症候群、アペール症候群、トリソミー
受診の目安
- お子さんの成長や発達、体の特徴などで気になることがあるときは、まずかかりつけの小児科に相談してください。
- ご家族に染色体異常がある方や、妊娠の前に遺伝について相談したい方は、遺伝カウンセリングを受けられる医療機関に相談する方法があります(MSDマニュアル家庭版の関連項目「妊娠前の遺伝カウンセリングおよび遺伝学的検査」)。
染色体異常の種類によって症状や必要な診療は大きく違い、見た目や症状だけでは判断できません。診断には専用の検査が必要です(MSDマニュアル家庭版)。自己判断せず、医師に相談してください。
基本
染色体異常とは
人の細胞には、遺伝子を収めた染色体がふつう46本(23対)あります(MSDマニュアル家庭版)。染色体異常とは、この染色体の数または形(構造)に変化がある状態をまとめた呼び方で、性染色体を含むどの染色体にも起こりえます(MSDマニュアル家庭版)。
- 数の異常:ある染色体が1本多い「トリソミー」、1本少ない「モノソミー」などがあります(MSDマニュアル家庭版)。よく知られているのは21トリソミー(ダウン症候群)、13トリソミー、18トリソミーで(MSDマニュアル家庭版)、X染色体が1本少ないターナー症候群もモノソミーの例です(MedlinePlus Genetics)。
- 構造の異常:染色体の一部が別の染色体にくっつく「転座」、一部が失われる「欠失」、一部が余分にある「重複」などがあります(MSDマニュアル家庭版)。
- 体の中で、染色体の数が違う細胞と正常な細胞が混ざっている状態(モザイク)もあります(MedlinePlus Genetics)。
なお、1つの遺伝子のDNAに起こる変化(遺伝子変異)は、染色体の形を変えないため、通常の染色体検査ではわかりません。染色体異常とは別のものとして扱われます(MSDマニュアル家庭版)。
主な症状・影響
影響は染色体異常の種類によって大きく異なります(MSDマニュアル家庭版)。
- 妊娠の早い時期に赤ちゃんが育たず、流産の原因になることがあります(MSDマニュアル家庭版)。
- 生まれた場合には、知的障害、低身長、けいれん、心臓の病気、口蓋裂などがみられることがあります(MSDマニュアル家庭版)。
- 成長や発達、体のさまざまな働きに影響することがあります(MedlinePlus Genetics)。
原因・なりやすい要因
染色体の数の変化は、卵子や精子ができるとき、胎児の発育の早い時期、あるいは生まれた後の細胞で起こることがあります(MedlinePlus Genetics)。妊娠する女性の年齢が高くなるほど、赤ちゃんの染色体の数に過不足が起こる可能性が高くなるとされています(MSDマニュアル家庭版)。
検査と診断
検査
- 血液や頬の内側の細胞などを使って染色体を調べます(MSDマニュアル家庭版)。
- 大きな異常は顕微鏡で染色体を観察する検査(核型分析)でわかり、小さな異常は染色体マイクロアレイ解析(CMA)やFISH法などで調べます(MSDマニュアル家庭版)。
- 妊娠中は、羊水や絨毛の細胞を使う検査や、お母さんの血液から一部の染色体異常の可能性を調べる検査があります。母体血の検査で異常が疑われた場合は、さらに詳しい検査が勧められます(MSDマニュアル家庭版)。
治療
治療・支援
染色体異常そのものを治すことはできません(MSDマニュアル家庭版)。必要な治療や支援の内容は、染色体異常の種類や現れている症状によって異なるため、担当の医師と相談しながら決めていきます。
小児科で扱うほかの病気
国家試験での出題
医療系の国家試験で、この病気に関係して出題された過去問です(学生・受験生向け)。
出典
MSDマニュアル家庭版「染色体異常症と遺伝子疾患の概要」 / MedlinePlus Genetics「Chromosomal conditions」
内容の確認日:2026-10-16(次回確認予定 2027-04-16)。複数の公的情報源の事実をもとに medimichi が独自にまとめています。
この記事は一般的な医療情報の解説で、診断・治療を目的としたものではありません。気になる症状があるときは、自己判断せず医療機関を受診してください。緊急時は 119 / 医療機関へ。