病気の解説

肝硬変

別名:羽ばたき振戦、肝線維症

まず相談する診療科消化器内科
関係する症状むくみ・浮腫皮膚や白目が黄色い出血が止まりにくい
この解説の項目17項目

受診の目安

肝硬変では、多くの人は長い間無症状で過ごしますが、食欲不振や体重減少、手指の肥大(ばち指)、黄疸、脂肪便、皮膚の出血斑、かゆみなどの症状が見られることがあります。症状が強くなる・日常生活に支障が出る・経過や治療に不安があるときは、消化器内科に相談してください。通院中の方は自己判断で治療を中断しないでください。

基本

概要

肝硬変は、肝臓の長い期間にわたる損傷が続くと起こる病気です。原因としては、慢性的な過度の飲酒や肝炎、脂肪肝(MASH/NASH)などが挙げられます。胆管の病気や遺伝性の代謝疾患も関係することがあります。地域により主な原因は異なり、アジアやアフリカの多くの地域では B型慢性肝炎が関係することがあります。

主な症状

多くの人は長い間無症状で過ごしますが、食欲不振や体重減少、手指の肥大(ばち指)、黄疸、脂肪便、皮膚の出血斑、かゆみなどの症状が見られることがあります。慢性の肝機能障害がある場合には筋肉の衰えや手のひらの赤み、デュピュトラン拘縮といった段差的な症状が現れることもあります。

原因

肝硬変の原因はさまざまです。慢性的な過度の飲酒、C型慢性肝炎、代謝機能障害関連脂肪肝炎(MASH)などの脂肪肝、鉄過剰症や銅過剰症などの遺伝性代謝疾患、原発性胆汁性胆管炎や原発性硬化性胆管炎など胆管の病気が含まれます。アジア・アフリカの地域では B型慢性肝炎が関与することが多いとされています。

病態

治療の項では原因の是正が重要とされ、また合併症の項でも進行した肝硬変で起こるさまざまな問題が挙げられています。

リスク因子

長期間の過度の飲酒、慢性肝疾患、肥満や糖尿病、コレステロールの異常などがリスクとして挙げられます。地域差もあります。

検査と診断

検査

血液検査や画像検査、必要に応じて肝生検が行われることがあります。検査は肝機能の評価や原因の探索、腹水の有無などを調べる目的で実施されます。

診断

医師は症状・身体所見・危険因子の既往歴をもとに肝硬変を疑い、血液検査や画像検査で確認します。腹水の有無や脾腫、黄疸などの徴候が診断の手掛かりとなることがあります。

鑑別

診断の際には同様の症状を示す他の病気を調べる検査が行われます。

治療

治療

治療としては、原因の是正が最も重要で、慢性的な飲酒や病因の治療、合併症の治療、場合によっては肝移植が選択されます。肝硬変を完全に治す治療法はなく、初期の段階で原因を取り除くことが最善とされています。

使われる薬

肝硬変の治療には、原因薬の是正や合併症治療で薬が使われることがあります。なお、薬の服用時には肝機能への影響を考慮し、用量の調整や別薬への置換が必要になることがあります。

手術・処置

内視鏡的結紮術(バンド結紮)や内視鏡的シアノアクリレート注入など、出血を止めるための処置が行われることがあります。場合によっては経静脈的塞栓術などの介入が検討されます。

経過と生活

合併症

腹水、腹部不快感、発熱を伴うことのある腹腔感染症、足のむくみや深部静脈血栓、肝性脳症、呼吸困難、肝肺症候群、門脈性肺高血圧、肺塞栓症、肝臓がん、出血性貧血、肝腎症候あどのさまざまな合併症が起こることがあります。

生活上の注意

アルコールの完全な中止は肝硬変の進行予防に重要とされます。飲酒を続けると合併症が増え、予後が悪くなることがあります。

予防

原因の治療・是正が予防につながり、アルコールや薬剤の影響を避けることが再発防止につながると考えられています。

経過・予後

肝硬変はほぼ常に永続的で、原因を治療しない限り進行する可能性があります。進行の速さは人によって異なり、合併症の有無と治療の有効性にも左右されます。

経過・予後

予後は原因・重症度・他の病状・治療の効果などで変わります。大きな合併症が起きると予後は悪くなることがあります。

肝硬変と関係する症状

症状のページでは、同じ症状が出るほかの病気や受診の目安も確認できます。

消化器内科で扱うほかの病気

国家試験での出題

医療系の国家試験で、この病気に関係して出題された過去問です(学生・受験生向け)。

出典

参考: MSD Manuals 家庭版(日本語)(出典の事実をもとに medimichi が患者向けに再構成)

この記事は一般的な医療情報の解説で、診断・治療を目的としたものではありません。気になる症状があるときは、自己判断せず医療機関を受診してください。緊急時は 119 / 医療機関へ。