募穴
経穴
はじめに
国家試験では、募穴の位置や対応する臓腑の組み合わせが極めて頻出します。特に背部兪穴との表裏関係や、下腹部の位置関係を正確に把握することが求められます。臨床的にも内臓疾患の診断や治療において欠かせない重要な知識となります。
どの経穴か
募穴は胸腹部に位置し、五臓六腑の気が集まる重要な経穴です。多くの臓腑において同名の経脈上とは必ずしも一致せず、任脈や足の陰陽経などに分散して存在しているという大きな特徴を持っています。内臓の異常が体表に現れやすい場所です。
部位と取り方
胸腹部の正中線上やその側方に位置し、胸骨体下端や剣状突起、臍、恥骨結合上縁などの体表解剖学的指標を基準として骨度法により厳密に定められています。それぞれの経穴ごとに周囲の骨や肋間などの目印を用いた正確な取穴が必須となります。
要穴としての分類
五臓六腑の気が集まる特異穴であり、八会穴の臓会である章門などがこれに含まれます。背部にある背部兪穴と対をなし、表裏一体の密接な関連性を持っている点が大きな分類上の特徴です。さまざまな経脈に散在しています。
主治
内臓疾患の診断における圧痛点や反応点として広く活用され、特に六腑の病症の治療に有効とされています。背部兪穴と組み合わせることで高い治療効果を発揮する兪募配穴法が用いられ、前後からの挟み撃ちのようなアプローチが行われます。
国家試験のポイント
各臓腑の募穴の正確な位置や所属経脈の名称、背部兪穴とのペアとなる組み合わせが国家試験で繰り返し問われます。また、前胸部や上腹部における深刺による気胸や肝臓などの実質臓器の損傷に対するリスク管理も重要な出題ポイントです。
間違えやすいところ
募穴の多くが対応する臓腑の経脈名とは一致せず任脈などに属している点や、すべての募穴が同じ経脈にまとまって存在しているわけではない点に注意が必要です。背部兪穴がすべて膀胱経に属するのとは対照的であるため混同しないよう整理が求められます。
募穴が問われる国家試験問題(18問)
- 第49問生後3か月の女児が乳児健康診査で股関節開排制限を指摘された。診察で誤っているのはどれか。
- 第91問陰陽の属性が同じ組合せはどれか。
- 第104問経脈病証で咽喉の症状がみられないのはどれか。
- 第108問すべての陽経脈と連絡している奇経の䌂穴はどれか。
- 第197問上肢の筋と作用の組合せで正しいのはどれか。
- 第253問疾患と異常歩行の組合せで正しいのはどれか。
- 第275問外邪とその特徴の組合せで正しいのはどれか。
- 第288問八会穴で募穴でもある経穴が所属する経脈はどれか。
- 第355問副腎皮質ホルモン剤を長期服用している患者への施灸方法で最も適しているのはどれか。
- 第418問胸膜中皮腫と関連するのはどれか。
- 第423問HbA1cが反映する血糖値の期間はどれか。
- 第513問「40歳の男性。右腰下肢が痛み、右足部外側にしびれがある。アキレス腱反射減弱、下肢伸展…
- 第566問呼吸運動を促進するのはどれか。
- 第669問関節リウマチによるZ変形の仏痛緩和のため局所への接触鍼を行った。施術部位の経穴として最…
- 第749問インスリンについて正しいのはどれか。
- 第808問78歳の肥満女性。以前から腰痛があった。3日前から左膝内側の痛みが出現。市販の外用薬を…
- 第1078問侵害性熱刺激によって生じる発汗に最も関与するのはどれか。
- 第1080問施灸局所の皮膚血流を増加させる内皮細胞由来の物質はどれか。